研究に求められるもの

論文の進捗は変わらずいまいちだけど、周辺のアウトリーチ関係のおしごとが何件か詰まっていたので、先週はそちらに時間を割かれていました。

自分がやっている里山の保全に関する研究というものは、自然保護のほかにも地域おこしに取り組んでる人たちと相性が良いものだから、いろんな付き合いが生まれてきます。そういうわけで今回は、普段の調査でお世話になってる地元の方々に向けて話をしてきました。

発表そのものは、直前までの体調不良が響いてほぼ準備なしの状態で、スライドを最初の方しか作らずに、ブラウザやGIS、あげくはRStudioの生画面をスクリーンに写しつつ、図はホワイトボードで即興しながらのプレゼン形態。最近はすっかり、少人数に対して発表する場では、手抜きをしながらそれっぽく見せる方法を濫用してしまいがちなので、今度からはもうちょっと準備をして臨もうと反省。。

それにしてもこの界隈、よくも悪くも意識の高い人が多い傾向にあるので、それはそれで大事だし応援していきたいと考えているものの、私の立ち位置を改めて考えさせられました。

私自身も地域おこしのためのイベントに協力することは可能な限りしていきたいのですが、研究者としてまず一番に取り組むべきなのは、里山やら自然を活用するにあたってベースとなる生態学的知見を作っていくことなのだろうと。つまりは、なにはともあれ論文を出して、地域づくりに取り組む人々がやりたいことが、生態学的にどう意味を持つのか価値付けしていくことなのでしょう…。

今、TwitterやFacebookといったメジャーなSNSでは、アプリ側がサジェストした記事が優先的に表示され、よりバズる(=私から見ると過激な表現や人を煽る言葉)特定のアカウント・投稿ばかりが目立つ傾向がさらに強まっているように感じます。この分野でも派手な成功談や逆に攻撃的な批判記事は注目を集めやすいけど、本当に大事なことは、日々目立たないところでコツコツとデータを蓄積し、人脈をコツコツ作って布石を打って、年単位で粘り強くやっていくことではないかと考えています。

いろいろそんなことを考えつつ、だいぶ前に買って以来なくしていた本をようやく発見したので、読んで作業を進めたいと思います。

なぜあなたは論文が書けないのか?

なぜあなたは論文が書けないのか?

  • 作者: 佐藤雅昭
  • 出版社/メーカー: メディカルレビュー社
  • 発売日: 2016/07/08
  • メディア: 単行本