夏休み

大学が夏休みになる8〜9月が、研究者にとって(頭脳労働的に)繁忙期だということは、世の中に意外と知られていないのではないかと思う。7月までにもう少しペースを上げておけば…といいつつ、今も目の前の論文書きから現実逃避している。

進学して約4ヶ月半が経って、生活はだいぶ落ち着いた。 仕事をしていたときと比べると、人と会ったり話したりする機会がほとんどなくなっていて、ああ、修士のときもこんな感じだったなぁと思いだしてきた。

つねづね、メンタル面でも生活面でも、研究って孤独なものなんじゃないかと考えている(もっとも、共同研究することが前提の分野ではそうではないだろうが、私のところでは少数派である)。

自分は修士で他大学へ進学したので、そのときに人間関係が一度リセットされた。そのときは積極的に研究室以外で人間関係を作ろうとしなかったから、バイト先以外で人と会ったり話したりすることは稀で、研究がうまくいかなくなってからは自ずと病んだ。 就職してからはそういうこともあって、職場以外での人間関係も広げるようにした。というか、たまたま所属していたNPOから芋づる式に人脈が広がっていって、結果、そのおかげで今の研究テーマと指導教員にたどり着いたのが実態である。よく、人間関係は複数持ったほうがよいと言われるけど、本当にそれはそうだと思う。

そもそも研究というもの自体が、何かしら新しい知見を生み出した時点では、その意義を見いだせる人は自分自身の他は競合研究者くらいしかいないわけだし、周りから見たら”よくわからないことを面白がってる”状態でしかない。自分が見つけた意義付けが正しいかなんて誰も保証してくれない((査読まで進めば、査読者からコメントをもらえるわけだが))し、進む方向がこれで良いかどうかも自分が決めるしかない。

今取り組んでるテーマは、かつて挫折した基礎的な分野からは少し離れて、人間社会、もっと具体的にいえば**集落とか、##地区の??さんとか、リアルに目に見える人たちの力になれたらというのがモチベーションの根底にある。

だから、今度こそきっとだいじょうぶ。この夏でまずは論文を形にしよう。