たまには書評めいたものを。
この週末は久しぶりに何も予定がなかったので、小説を読んでいた。
一人の高校生がピアノ調律師と出会い、その道をこつこつと究めていくという話(ざっくり)。
物語は、最後まで淡々と続いていく。特別な擬音語を使うわけでもなく、森の音が自然に聞こえてくるような静謐さに引き込まれた。
主人公は、常に心の中で自問自答している。そして、同業の大多数が憧れる頂点を目指すことが果たして正しいことなのか悩み、そしてそれに答えを見出していく過程は、”あぁいいなぁ”と、別の分野を究めようとしている私にも響くものがあったのである。
このエントリのタイトルは、本文中の鍵となる会話から引用。
終始淡々と続く(感情の起伏はあれども)ので人を選ぶかもしれないけど、何かを究めようとして行き詰まってる人が読んだら、共感できるものがあるんじゃないかと思う。